第81話「葬儀前後のトラブルなどなど」 [お見送り期]

お葬式と言うのは、非日常的な出来事です。
なので当然、不慣れな事の連続です。
失敗しても仕方がない…とは思うのですが、なぜか
「失敗は許されない」様な、厳粛な雰囲気も漂っております。

そしてそんな緊張感の中、人によってはテンパってしまい
珍妙な言動をし始めたり、許容範囲がすごく狭くなる事もあります。
すると自然とトラブルも多くなる…今回はそんな類の騒動を
簡単にまとめてみました。

実際、身近な人の葬儀を経験した方々に
お話を伺っても、皆さん必ずと言っていいほど
「トラブルがあって、大変だった」と仰います。
大半は親族間トラブルでしたが、中にはご近所トラブルに
見舞われた人もいたりと、対象は様々でした。
内容的にも「何かと口を挟んだり、仕切りたがる人がいた」とか
「お金の事で、ものすごく執着された。もめた」とか色々です。

また介護をしている時点から、いつしかそこに「自分の居場所」を
見出してしまう人もいます。例えば定年退職した後に
行き場のない方などが、これに当たるとなかなか厄介です。
例えば「オレは(私は)再就職しないで介護してやっている」とか
「俺たちの働きは時給にするといくらになる」とか
珍妙な自己主張を居丈高に始めたり、更には
「この家の〇〇は介護していない」とか「年収800万円を
稼げない人間は発言権がない」とか、やはり珍妙な事を
主張しながら、今度は他者の攻撃を始めたりもする様です。

そしてこの流れで考えると、自然と葬儀の段階に至っても
色々と口を挟んでくる様は容易に想像できます。
しかし何せ介護よりも葬儀の方が、周囲も気持ちに余裕がないので
この時点でついに「トラブル勃発」と言う事態に陥ります。
私が伺った事例では、亡くなった方の直系の親族ではない人が
トラブルを誘発してしまったため、親戚どころか、ご近所中でも
「直系の親族でもないのにねぇ」とか「うちにはうちのやり方が
あるからねぇ」と、驚かれたとか。

そしてこう言うパターンは介護が終わって、もう用事が
なくなった後も、当人は理由をつけてそのままそこに
居ついてしまいがちです。当然ながら周囲からは
徐々に疎まれる…のですが、本人は「自分は役に立っているんだ」
と信じているので、なかなか解決が難しいとも思います。

トラブル語録.jpg
(色々な方にお話を伺うと、皆さんそれぞれ思う事はあるらしい…)

私自身の実体験から考えても、介護や葬儀を通じての
トラブル防止のために、なによりも必要とされるのは
「デリカシー」だなと痛感しました。

「病院へのお見舞い」の際にも同じことが言えますが
全てにおいて、介護をしている家族や、亡くなった方の遺族に対する
「デリカシー」を意識すれば
多少のトラブルは防げるかもしれないと思うのです。

自分の存在を誇示したり、自分の主張を通す前に
まずは一呼吸おいて発言を胸に留める。
そして「相手が一番望んでいるモノは何か」を考えます。

ちなみに私の場合は、ただでさえ身内を亡くして
悲しい想いを抑えながら、葬儀の準備と向かい合っていた時
欲しいものは、ただ「配慮」だけでした。
それに尽きました。
必要な情報や助けは、それを持っている人
(私の場合は直系の親族である伯父(父の兄)や、葬儀屋さん)
の所に自ら伺いに行き、お願いしました。なのでそれ以外の方は
(第79話のご近所の方々のように)
黙って手を貸してくれたり、見守っていてくれれば十分でした。

話変わって、お金の問題。
例えば『うちはお金がないから、争いもない』と考える方もいるかも
しれませんが、経理に詳しい人に聞くと「そうでもないですよ。
お金がなくても、もめる所はもめるんですよ」と言われました。
もめるパターンも、故人の子供たち同志とか、叔母と甥もしくは姪とか。
各家庭によっても、当然ながら千差万別の様ですが
でも一律して、お金関係のトラブルは解決に時間もかかりそうですし
どれも根深そうだなと言う印象は、耳にするたび感じました。

逆に「えっ、こんなトラブルもあるのか!?」という様なモノも。
例えば我が家では、父が亡くなった直後、長年携わってきた
お役所関係の作業の功績に対し、表彰されることになりました。
なんでも役所の偉い方が数名自宅に来て下さるとかで
「スーツを着て待っていてください」と言う連絡が突然入りました。

さぁ大変です。(表彰の時期が葬儀の直前だったので)
とりあえず喪服の準備は出来ていましたが…スーツがないよ!
そんなもの、ふだん着ないよ!
「どうするスーツ!」「喪服じゃダメか!?」なんて感じで
いきなり洋服ダンスを引っ掻き回す騒動が、繰り広げられました。

スーツない.jpg

などなど、多かれ少なかれ非常時には予想外の事がつきものですし
また人間の素の性質も、出やすくなる時だと思います。
なので事前に「こういう時は、トラブルが起こりやすいらしい」と
心構えをしておけば、仮に何かが起こっても多少は落ち着いて
対処できるのでは…と信じたいです。
願わくば、何も起こらない事が一番なんですけど。

最後にトラブルではないけれど、ちょっと驚いたのは
病院の請求書をみた時、ちゃんと「死後の処理代」と言う項目が
組み込まれていた事でしょうか。
その金額や…わりと高い。
介護って最後の最後まで、結構「こんな所にも、お金が要るんだな」
という様な細々したところに、お金がかかった気がしました。
でもそれも、ある程度は仕方ないのかもしれません。

今回はかなり言葉を選んで何度も推敲したので
逆に分かりにくい表現があったかもしれません。
その場合は、すみません。

請求書ビックリ.jpg


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