介護に関して多くいただいた質問 Q&A [その他]

ブログに介護絵日記を綴っていると、色々なキーワードで
検索されている事に気付きます。
その中には、何度も繰り返し出てくる用語もあります。
なので今回は、関心が高いキーワード(質問)を
いくつかまとめて取り上げてみました。

Q1:病人へのお見舞いの仕方。声掛けのコツ。

まず外部の方がお見舞いに行く場合。
これはケースバイケースだと思うので、不安なら
患者さんのご家族に聞くのが一番かと思います。
我が家の場合は、当たり障りない所で「天気や陽気の話」から始まり
あとは「本人が良く知っている、昔なじみの方々の近況」などを
話していました。
それから「本人が元気な頃から興味がある項目(趣味など)」の話題も
表情から読み取ると、関心を惹かれている様でした。
要は病気であるなしをあまり気にせず、元気な頃と同じ感覚で
世間話をするように話す事が、話しやすさのポイントかなと思います。

一方、連日通う家族は、自ずと話題がなくなりがちです。
私の場合は朝起きて、テレビや新聞の情報の中から
話して面白そうなネタを仕入れたり、ご近所の方々の状況を伝えたり
「今日はこんな陽気だ」「こんな花が咲いていた」など
季節の移り変わりを話したりしました。
また梅の実などが出回っている時期は、2~3個持ち込んで
鼻先から香りを伝えたりもしていました。
話す事がない時は、枕もとに置かれているラジオから流れる
情報を拾って、話題を展開したりもしました。

逆にNGだなと思う話は、うちの場合は父が
ものを食べられない状態だったので「食べ物の話題」。
あとは回復して家に帰れる見込みはないけれど、本人には
そうとは最後まで伝えていなかったので「死に関する話題」や
「家に戻れない」と言う用語です。

でもお見舞いに来て下さること自体、気持ちがこもっている行為なので
明るい話題であれば概ね、本人や家族の気分を害する事は
無いのではないかと思います。

ネタ探し.jpg


Q2:寝たきりの人の散髪の仕方について

自宅で看ている場合、普通の美容室や理容室でも
訪問散髪を請け負って下さるところがあるので
そこにお願いするといいかもしれません。
うちの場合は、家で看ていた時は車いすに乗れる状態だったので
それを押して近所の床屋さんに連れて行っていました。
またデイサービスに通い始めてからは、施設に来ていた
床屋さんに散髪を依頼しました。

病院で寝たきりになってからは、病院に来ていた
業者さんに散髪をお願いしていました。
見ていると2人がかりで頭の周囲に白いシーツを広げて
バリカンで刈ると言う、短時間スタイルでした。(シャンプーなし)
そのあとは(私が)蒸しタオルで頭を拭き取ったり、ゴロゴロテープを使って
切った髪の処理をしました。小型の掃除機などもあると便利ですが
病室では音が大きすぎるので、結局使いませんでした。

ちなみに病院での散髪料金は、カット(髭剃り込み)で1500円でした。

詳しくは第59話『寝たままの散髪~』をご参照ください。


Q3:足の切断手術にかかる時間は?

これもケースバイケースだと思いますが、
我が家(片足をひざ下から切断)の場合は、約2時間ほどでした。
(お医者様の話では、切断せずにバイパスをつける手術の場合は
3~4時間ほどかかるとも言っていました)


Q4:車いすでお尻が痛くなった時の対処法

介護用のレンタル用品で、長時間座っていても
お尻が痛くなりにくいエアークッションが借りられたので
それで対応しました。それでも辛い場合は
2~3種類、色々なクッション(座布団)を用意して
時々入れ替えては、重心の当たり具合を調整していました。
使用したものは市販の品のほか、特注でリフォームしてもらった物など
色々です。
(でも実際、どれ程緩和されたのかは…本人にしかわかりません。
もし、もっと良いやり方があったら、後学のために知りたい気がします)


Q5:救急車に乗った時、あったら便利な物は?

これは第45話『救急車に同乗した時、あると便利なもの』
ご参照ください。


Q6:酸素マスクをつけ始めると長くない?

これもケースバイケースだと思いますが、必ずしも
「酸素マスクをつけられたから、もうダメ」と言う事態になるとは
限らないです。父の場合も、何度も酸素マスクをつけましたが
状態が持ち直したら、また外されて穏やかな生活を送っていました。


Q7:お見舞いの効用について

まず「家族は何時間ぐらいいた方がいい?」と言う問いが
ありましたが、それに関しては(やはりケースバイケースですが)
面会時間内であれば、その都度、ご都合に合わせて…で
大丈夫な気がします。

私が目にした方々も、そのご家庭によって様々でした。
複数のご家族が毎日熱心に通っては、数時間滞在されたり
お1人でも家族内でローテーションを組んで、通われていたり。
いらしても5分で帰るお嫁さんもいれば、長い時間滞在しても
一切何も語らず座っているだけの息子さん、
日に2回は顔を出す患者さんのお母さん…などなど。
介護おばさんの様に愛情が高じて、面会時間を逸してしまうと
病院の業務に差し障る事もあり注意されますが、それ以外でしたら
問題はないように見えました。

ちなみに我が家の場合は、通っていたバスが30分に1本だったので
それに合わせて毎日1時間~1時間半ほどの、滞在時間でした。

それから「お見舞の効用」についてですが、詳細は
第56話や第68話等でも描いていますが、端的に3つあります。
まず最初の2つは
「患者さんの励みになる」
「看護師さんなど周辺スタッフの対応も変わって来る」と言う事が、
大きな利点だと思います。

患者さんが社会と繋がりを保てている事、忘れられていないと言う事は
生きる気力になります。また病院スタッフの献身的な対応を
家族がちゃんと理解している事が伝われば、喜ばれますし
介護にもやり甲斐が生じる様です。
そして家族がマメに来ている患者さんは「大事にされている人」と
認識されて、同じ様に大事に接して下さる気がします。

最後のひとつは
「亡くなった時の状況に、きちんと納得できるかどうか」が加わる気がします。
もし患者さんの容態が急変し、そして亡くなった時、
家族が立ち会えなかった場合。
病院側からの説明だけで、果たして納得できるかどうか…です。
どんなに「この日はいつかくる」と覚悟していたとしても
「本当にちゃんと看ていてくれたのか?」と、その時になったら
疑念が湧くかもしれません。更に運悪く、その時が人の少ない深夜で
当直医が病院の常勤ではなく、臨時に来ている方だとしたら?

父の場合は、その全てが揃っていました。
実際に後日、亡くなった時の状況を周囲に説明しても
何人かが「夜間だから、ちゃんと看ていなかったんじゃないか?」と言う
疑問を口にされました。でも…。
毎日毎日お見舞いに行って、父の状態の変化を目の当たりにし
その都度、スタッフの方の迅速で慎重な対応も見てきました。
また断片的にだけれど、スタッフの性格や人となりもわかって来ていた。
そういう総合的な情報から「死に目には立ち会えなかったけれど
お医者様初め、スタッフの方の対応に嘘はない」と、
私自身は納得できました。


Q&Aは以上です。
次回からは最終章「お見送り編」を綴りたいと思います。



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