第49話「療養型病院へ、転院手続きをする」 [入院記]

2014年1月

年が明けてすぐの1月7日、父を受け入れて
くれることになった療養型のJ病院に行き、
家族面談を受けました。

私たちとしては、以前ショートスティを断られた
苦いトラウマがあるので、もし土壇場で断られたら
どうしようと、ハラハラしていたのですが…
面談は、既に父を受け入れる事が決定事項として
進められたため、身構えていたのが無駄と言うか
拍子抜けするほどにスムーズでした。
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J病院の医療連携(事務)担当は、小柄な女性のNさん。
この家族面談の内容としては、各種必要書類
(契約書や、入院証明書など)を手渡されたり、
介護用品(アメニティ)の申込書を用意されたり
入院する際に必要な物などを説明されたりしました。
また同時に、院内も簡単に案内して頂きました。

更に、父が持っている諸々の書類
(たとえば健康保険証とか、障害者手帳など)の
提示もしたのですが、Nさん曰く
「入院後は医療保険証のみ適用されます。
介護保険の類はもう使えなくなります」との事。

そうなんだ。
父が倒れたと同時に申請し、要介護5に認定されたり
ケアマネさんが付いたりと、今まで「介護と言えば介護保険」
と言うぐらい、ずっとつかず離れず携わって来た感があるので
「(当たり前かもしれないけれど)自宅介護が終了したら
もう必要ないんだ」と言う事に、ここで初めて気付かされました。

(後日談ですが、実は介護保険は私の住む自治体では
まだ用途がありました。入院患者はおむつ代を支給して
もらえるのですが、それに介護保険が必要になるのです)

ともかく、そんな感じで転院手続きは無事終了し
その後、転院日も1月16日と決まりました。

しかし、ここJ病院の印象はと言うと…。
「ここは一応東京で、今は平成の世の中だよね?」と
一瞬錯覚してしまうぐらい、昔ながらの風情を保っていました。
子供の頃は、こう言う病院がたくさんあったと言うか
まるで地方の山里の、しかも昭和の病院にタイムスリップ
したかの様な、そんな時空と空間を超えた雰囲気が
濃厚に漂っていました。
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実は父が救急車で運び込まれた、今いる治療型病院は
3年ほど前に新築されたばかりの、都内有数の大病院。
ものすごく壮大な造りの上に、高台に位置していたので
そびえ立つように立派でした。
内装もまるでホテルの様に綺麗で、広々としていて
もちろん窓からの景観も最高です。

スタッフさん達にも活気があり、システムも近代的。
レストランや、カフェや、コンビニも全て配置してあると言う
まさに最先端な環境だったので、余計にギャップを感じました。
と言うか、ギャップありすぎ。
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(写真は大病院最上階のラウンジからの眺め)

「ここが父の最後の病院になるのかな。
ここに父を預けてしまうのか」
そう思うと失礼ながら、気持ちが塞ぎ、帰宅の足も
自然と重くなっていきました。(慣れると割と『住めば都』で
アットホームな楽しい面もありましたが、それはまた後の話)

更に転院手続きについて。
年明けに急きょ新しくI先生と言う女性の方が、担当医に
なって下さいました。この方は見た感じ、ものすごくクレバーで
恐らくお医者様としての地位も高そうな人でした。
(常にアシスタント的な人が、傍らに控えていたし)
I先生は非常にテキパキと、父の症状の説明をして
下さいましたが、それによると術後は経過も良好で、
もうどこも悪い数値がないとの事。
「なので、いつでも転院できます」と。

今度の先生は頼りがいがあるなと思い、安心したのですが
いざ転院手続きと言う段階になった時、先生がおもむろに
「当日は病院の救急車を用意させますね」と、言い出しました。

さすがに医療に関しては素人の私でも
「えっ、それは無理でしょう!?」と、突っ込みたくなった。
念の為、各病院の医療連携担当のIさんと、Nさんにも伝えたら
お二人とも「えー、うそ!?」とか、「おかしいですねぇ」と
口を揃えて言いました。
そしてすぐに、介護タクシー会社の一覧表を手渡して
「こちらに連絡した方が良いですよ」と、言ってくれました。
(ちなみに後日来てくれた、介護タクシーの運転手さんさえも
「それはおかしい」と言いました)

4年前に乗った民間救急車と言い、この件と言い、
病院の先生方は、もしかしたら治療以外の案件
(他の病院への転院など、病院の外の事)には
それほど詳しくないのかなと、思わされました。
治療以外の先生方の提案を、鵜呑みにすると怖いかも?
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そして刻一刻と、転院日は近づいていきました。
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