第3話「介護はある日突然に」 [入院記]

2010年3月30日

退院した直後に、69歳の誕生日を迎えた父が
お祝いの席でしみじみと「いつの間にか69になったんだな。
早いもんだな」とつぶやいた後、母に向かって
「オレはあまり長生きできないかもしれないな」と
言い出しました。
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それは自分の体調を顧みての感想か、それともこの先を
見通しての予言だったのか…。
それからわずか2日後の夜、それまで饒舌に家族と話をしていた父が
突然「なんだか…言葉が上手く出てこない」と言い出しました。
「もう寝る」と、立ち上がったはいいけれど、今度は
「足に全然力が入らない」と、不審に思いつつ
フラフラと寝室へ。
異変.jpg

「先日退院したばかりで、また脳梗塞?まさかね」と
母と顔を見合わせながらも
「万が一そうだとしたら、早めに救急車を呼ぶべきだろうか?」
「しかし本人は疲れているし、明日の朝まで様子を見た方がいいかも」と
散々悩み…結局父の「救急車は呼ばなくていい」の一言で
その日はそのまま休むことに。

追加5.jpg
しかし翌朝、父の様子は相変わらずおかしいまま。
「これはまずい」と言う事で、救急車を呼ぶことになりました。
いつもは仕事があって動けない母に代わって
私が付き添って、病院に行くのだけど、今回は私にも
仕事が入っていた為、義理の妹に救急車への同乗を頼みました。
そして出勤準備をしていたら…。

義妹.jpg
ちょうど家を出る時間帯に、救急隊の皆さんが到着。
気が付いたら我が家の狭い出入り口に、人や担架が溢れています。
その上、体をうまく動かせない父の移動に思いの外
手こずっている様子。
あれ、もしかしたら私、家から出られない?

しかも、そんな物理的な事情に加えて、周囲は既に
かなり緊迫した雰囲気です。
「じゃ、私はちょっと仕事に行って来ますから」
なんて、とても言える状況じゃない!…と言うか、絶対言えない!

「しまった!!出るに出られない!」と気付いた時はすでに遅し。
仕方なく仕事先に電話をし、10分遅れでの到着を許可してもらいました。

なので今回得たの教訓は
「救急車を呼ぶ時は(到着)時間帯を考えよう」
「出入り口は確保しよう」
と言う事。

でもまだこの時点では、倒れた本人はじめ、家族の誰もが
あまり深刻に、この症状を捉えていませんでした。
(救急車を呼んだのに、平然と仕事に行こうとする辺り
余裕と言うか、油断を感じますものね)

でも実はこれが、長きにわたる大変な介護生活の幕開けでした。
救急隊到着.jpg
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