第68話「家族のお見舞い、その効用」 [病院の事]

2015年6月

今回は家族が病人のお見舞いをする事について
聞いたり、気がついた事を、いくつか書いてみようと思います。
56話の「患者さんに声をかけ続けること…」に
内容は近いですが、その家族バージョンです。

私が通常病院にいく時はバスや電車を使いますが
足が不自由な母を伴う時は、タクシーを使う事もあります。
ある時乗ったタクシーの運転手さんは、たまたま母の旧知の方
であるOさんでした。病院にお見舞いに行くと知ったOさんは
「患者さんには家族のお見舞いが、一番なんですって」と
言う話を始めました。
家族のお見舞い1.jpg

Oさん自身も、以前ご家族が入院していたらしく
その時、お医者様に「家族がお見舞いに来ると、患者さんは
気力が湧いて、ほとんどの方が長生きされるんですよ」と
言われたそうです。
だから「家族のお見舞いって大事なんですよ」と
私たちを励ましてくれました。

また別の日に、違う方からも「お見舞いに行くって言うのは
『あなた(患者さん)のことを気にかけてますよ』と言う
意思表示でもあるから、患者にしても
「自分は忘れられていないんだ」と励みになるし
気力を保っていられるんじゃないか」と言われました。

確かに、家族や親せきがお見舞いに行くと、
良く介護士さんや看護師さんから父は
「今日は力の入れ方が違うね。変にこわばらず
無駄な力が入っていないね」とか「家族がいると
安心するんでしょうね」と言う事を、度々言われています。
家族のお見舞い3.jpg

父がこのような状態になり、介護の大半を病院に
お願いしている今となっては、家族にできる事と言ったら
精神的な気力を維持させて、穏やかに過ごさせてあげる事
かもしれません。

ちなみに、私などは珍しい親戚を伴っていくと
父には「みんなせっかく来てくれたんだから、たまには
返事ぐらいしてあげたら」と、やや強制的に刺激を与えようと
試みるのですが、これはなかなかうまく行きませんね。
逆に甥が「じじ、お返事できなかったら、お口を開けるだけでも
いいんだよ」と、優しい提案をすると…パカッと口を開けて
それに応じたりしています。
家族のお見舞い2.jpg

うーん。
「北風と太陽」的な作戦で、脳みそを活性化させた方が
効果があるのかしら?と、幼子の優しい言動に
色々気付かされてもいる、この頃です。


「追記」
その後、しばらくして病院の介護士さんから、こんな話を聞きました。
私が連日お見舞いに来る姿を見た介護士さんが
「良いお父さんだったんでしょうね」と声をかけてくれました。

(うちの場合は元気な頃から単に世話が焼けるだけで
良いか悪いかはどうかな…と、返答に窮していると)
「娘さんとお父さんの関係って難しいんですよ。
やっぱり元気な頃に関係が良好だと、どこの家も娘さんが
よくお見舞いに来るのよ」と。

なるほど、そう言うモノなのか。
娘と言うのは比較的、男親の世話(介護)をしやすい
ポディションだと、私は勝手に思っていました。
奥さんよりも血の繋がりがあるから、情もある(かもしれない)し
息子さんよりも会話が弾みそうだし。
周囲を見ていても、奥さんやお嫁さんよりも、熱心に
介護しているのは娘の立場に居る人だと言う気がしたのですが
それも日頃からの関係性によって、差が生じる様です。

あくまで介護士さんの個人的な見解なので、家庭によっては
絶対そうだとは言い切れない場合もあるかと思いますが、
面白い意見だったので、念の為、参考までに記しておきます。
でもやっぱりうちの場合は、良いか悪いか判りかねるな…。


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