第43話「歯医者騒動再び。そして歯の根を抜く」 [自宅介護あれこれ]

2013年8月~9月

この年の夏は、むせこみの検査以外にも
色々と訪問歯科の先生方に、お世話になる事が
続きました。

昨年末に入れ歯を作ってもらってから、
半年ほどが経過したので、今度はメンテナンスとして
また新しい先生がやって来て歯石を取ったり、
レントゲンで歯の状態を確認してくれました。

先生は「歯の根が何本か残っていますね。
それがもしかしたら近い将来、炎症をおこすかもしれない。
気になるんだけど…。だけどそれが10本以上もあり、
全部処置したら1年ぐらいかかります。
患者にも負担をかけるので、今は抜かないようにしますね」
と言って、一度治療を終了しました。
我々家族も、その時は必要以上に父に負担がかかる状態を
望まなかったので、先生の決断に納得しました。
rentgen.jpg

が、しかし。
その治療終了から、わずか1週間後のこと。
急に父が「歯が痛い」と言い出しました。
慌てて訪問歯科の先生に連絡を入れると、
急きょ駆けつけて下さったのは、いつもの先生ではなく
「ヘビメタ?それとも歯科医?」と、一瞬どちらか
見当がつかないほど、実にバンドマン的な風貌の
珍しいタイプの先生が颯爽と現れました。

先生は先のとんがった蛇柄の靴を履き、髪をなびかせて
なんだか治療器具よりも、エレキギターでも持っていた方が
ずっと似合いそうな雰囲気です。
いやいや、人は見かけではありません。
でも私が今まで抱いてきた「歯医者さんって、概ねこういうイメージ」
と言う固定観念を、この先生が見事に打ち砕いた事は確かです。

しかも後日、このバンドマン先生(仮称)がサササッと手早く
手直しした入れ歯を見た、いつもの先生が
「さすが××先生。奇跡の入れ歯だね」と感嘆していました。
なのでさり気なく確認すると…バンドマン先生は
実は訪問歯科医の先生方の中でも、一番技術が優れている
すごい人であった事が判明しました。

ああ、やはり人の見かけに惑わされてはいけない。
だけどあの強烈な印象は、きっと忘れないわ…。
hebimeta.jpg

本題に戻りますが、父の歯痛の原因は
「以前入れ歯を作った後に、歯が1本抜けた。
そのため支えがなくなり、入れ歯がガタついて歯茎が傷ついた。
元々衛生状態も良くないので、そこから雑菌が入り
残っていた歯の根が虫歯になり、根腐れして腫れた」
と言うものでした。

かくして、とりあえず炎症をおこしている歯の根を
6本分抜く治療を行いました。
よもやこんなに短期間のうちに、結局歯の根を
抜く事になるとは。しかし、その甲斐あってか
その後は痛みも収まって、しばらくは穏やかな日々を
父も私たちも過ごしていました。

けれど…
穏やかに見えたのはあくまで表面上に過ぎず
実は水面下で、この頃の父の体には歯痛以上に
恐ろしい変化が生じていました。
それを私たちが知るのは、もう少し秋が深まってからです。
そしてみんなが気が付いた時、それは、父の生命を
脅かすほどの脅威に、姿を変えていました。

その話はまた次回。
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