第6話「自宅介護に向けて、リフォーム大作戦」 [自宅介護のコツ]

2010年4月~6月

父の入院中に介護保険の申請を済ませる傍ら、
自宅では退院してきてから、スムーズに暮らせるように…と
大幅なリフォームがいきなり(本当にいきなり)
急ピッチで執り行われていました。

子供の頃から父と懇意にしている、近所の技術屋Tさん。
この人が「これは一大事!」とばかりに、電気屋さんや、左官屋さんなど
自分の仲間たちに声をかけ、音頭を取って、一斉に我が家のリフォームに
取り掛かかってくれました。
なのでその頃は、帰宅するたびに家がTさんの意向で
大幅に変化しており、休日にも終日ギギギギ、ガガガガガーと
工具の機械音が鳴り響く日々でした。
Tさん達.jpg

折しもこの時期、私は7年ぶりの大きな個展に取り掛かっており。
ものすごく大変な準備を経ての開催、そして終了後も
片づけや仕事などに追われて、極度の疲労困憊でしたが…
「うるさいから静かに工事してください」とは、
口が裂けても言えない事態です。
追加12.jpg

そう、なにせ父が戻ってくるまでに、全ての行程が終了していないと
バリアフリーに対応していない我が家では、家の中を
移動させる事すら出来ないのです。
よりによって、なぜこの時期に…と思わなくもないのですが
家に一人、病人(もしくは体の不自由な人)がいると言うのは
総じてこういう事。待ったなしの、弱い人最優先なのです。
うるさいけれど.jpg

介護とは初っ端から、寛大な家族愛が試されるのかも。

結果的、無事父の退院前に全ての工事が終了しました。
まず家族が集まる台所は、今までは床に座ってちゃぶ台を
用いていたのですが、父が自力で立ち上がれなくなったので
(弟宅から不要になった)テーブルを譲り受け、椅子の生活に変更。
そして今後、担架や車いすなどが入りやすいように、食器棚などの
家具を半分に削減。空間を大きくとる事にしました。
また家具の位置が変わったことにより、コンセントの位置も
あちこち大幅に付け替えました。
ダイニング.jpg

更に家の各所には、短い手すりを取り付けました。(計8か所ほど)
また段差が多かった玄関も、スロープ状にして
外扉も狭い観音開きタイプから、広く空間が取れる引き戸タイプに
変更しました。
これらのリフォームは、後に父が車いす生活になった時
非常に役立ちました。
玄関.jpg

そして階段を使ったリハビリをしても安全なように
階段には格段に滑り止めを施し、今まで床に布団を敷いて
寝ていた寝室も(自力では起き上がれなくなったので)
ご近所の方から不要になった介護用ベットや
重量がある椅子(父が捕まって座っても、容易に動かないもの)
を貸りたり、譲ってもらったり…と、およそこの時点で
思いつく限りの変更を実地しました。
てすり.jpg

入院費に、リフォーム代に…と、急に色々なお金がかかったので
出来る限り身内に頼んで工事をしてもらったり、借りられるものは
お借りしたり…と、色々人脈と知恵を絞って安価に改革しました。

余談ですが…これらのリフォームは意外と介護だけではなく
小さな子供たちにも便利だった様です。
例えば小さな甥や姪は、手すりにつかまって立ちあがっていたり
階段も滑り止めが付いたので、危なげなく上り下りしていました。
介護と子育てって、結構かぶる面があるのかもしれません。
(これは物理的現象だけでなく、後に父が寝たっきりの状態になった時
精神的にも気付かされる点ですが。その話はまた後ほど)
階段.jpg

しかし、これらの大規模なリフォームだけでは
まだ自宅介護には最適とは言えません。
これらに加えて、各種レンタル介護用品も色々と用意しました。
次回はそのお話です。
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